小学生でも5月病になりえる時代。親は子どもに寄り添ったサポートを
5月病といえばおもに大人がなるものというイメージがありますが、今は小学生の子どもでもなる可能性のある時代です。
もし子どもに5月病の兆候が見られたら、親は適切な方法で対処する必要があります。
ここでは、子どもの5月病の症状などに加え、どのような対処をすればよいのかも解説。子どもに寄り添ったサポートを行いましょう。
小学生でも5月病になる可能性がある
冒頭でも述べたように、今は小学生でも5月病になる可能性があります。
5月のゴールデンウイークが終わった頃から、何となく気持ちが落ちこんでいるように見えたり、疲れているように見えたり。
5月病は、決して大人だけがなるものではありません。連休明け、5月病ではないか?と思われる症状が子どもにも見られる場合があります。
子どもが5月病になる原因とは?
5月病になる原因としてはさまざまなものが考えられますが、おもな原因は、新しい環境になかなかなじめないこと、何とか環境になじもうとがんばりすぎていることではないでしょうか。
クラス替えによってクラスメートが変わったり、担任が変わったり。また、入学や進級することで生活リズムが変わったりと、これまでの環境が大きく変化していきます。
その変化についていこうとがんばりすぎてしまい、自分でも気づかないうちにストレスがたまっていく。
ぴんと張りつめていた気持ちが連休中に切れてしまい、やる気がなくなる、何となく気持ちが落ち込むといった状態に繋がっていくのでしょう。
子どもの5月病は、新しい環境になじめるよう、精一杯がんばっていたという証でもあるのです。
子どもの5月病の症状には何がある?
5月病という用語は、実は医療用語ではありません。そのため、明確な定義はありませんが、以下のような状態が見られる場合は5月病である可能性があります。
- 元気がなく、表情も暗い
- 学校に行きたがらない
- やる気がなく、好きなことを楽しめない
- イライラしている
- いつも疲れているように見える
- 食欲が落ちている
- 頭痛や腹痛など、体調が悪くなっている
- なかなか眠れない、起きられない
身体的な症状だけでなく、精神的な症状が生じることもあります。
連休明け、子どもがイライラしている、表情が暗くなったなど、「5月病かも?」と感じたら、いつもより注意して子どもの様子を見てあげてください。いずれ治るだろうと思わず、子どもの症状をよく見てフォローすることが重要です。
子どもが5月病になったときの対処法について詳しく解説
ここでは、子どもが5月病になったときの対処法について解説します。
子どもの心に寄り添いながらサポートすることが大切です。詳しくみていきましょう。
子どもの話をよく聞く
子どもの心に寄り添い、話をじっくりと聞いてあげましょう。
5月は、新生活の疲れが少しずつ出始める時期。環境が変化することで生じるストレスを強く感じやすい時期です。
たとえば、子どもが学校に行きたがらない場合。
親は「どうして学校に行きたくないの?」「学校で何かあったの?」など、あれこれ聞きたくなりますが、まずは子どもが話すことに寄り添ってあげましょう。いろいろと追求するのではなく、「行きたくないんだね」「辛いんだね」と、子どもの気持ちに共感してあげてください。
「親は自分の気持ちを分かってくれているんだ」と子どもが感じられたら、安心して自分の気持ちを話してくれるようになるでしょう。
この「話す」という行為は、子どもにとって非常に大切です。
心の奥で思っていることを口に出すことで「自分はこう思っているんだ」と気持ちを再認識でき、絡まった感情を整理できるはず。また、話すことですっきりできるでしょう。
子どもの想いに共感したうえで、がんばりすぎる必要はないことを教えてあげてください。肩の力が抜けると、子どもに普段の活力が戻ってくるかもしれません。
肯定的な言葉をかけてあげるのもおすすめです。
子どもに5月病のような症状が見られた場合、「少しずつがんばろうね」「焦らなくても大丈夫だよ」など、肯定的な言葉をかけてあげてください。それだけでも、子どもの心を軽くできるはずです。
間違っても、「早くしなさい!」「ダラダラしないで!」など頭ごなしに叱るのはやめましょう。
子どもの自己肯定感を高める方法についても知っておくとよいでしょう。
以下の記事を参考にしてください。
小学生の自己肯定感を高める方法とは? 子どもと今すぐ始められること! (miraii.jp)
自己肯定感をグッと高める! 子どもへの接し方とは? (miraii.jp)
知っておきたい! 子どものやる気をグングン伸ばす「言葉がけ」とは! (miraii.jp)
健康的な生活をサポートする
子どもの健康的な生活をサポートすることも大切です。
なぜなら、5月病は生活習慣の乱れでも生じたり、悪化してしまったりする可能性が高いからです。
睡眠不足や不健康な食生活は、心身ともに悪影響を与えます。
朝なかなか起きられない、つい夜更かしをしてしまう。
そのように生活リズムが乱れているときは、生活リズムをまず整え、健康的な生活にしていきましょう。
子どもの健全な体と心を育むには、睡眠時間を十分に取ることが必要不可欠です。
食事や入浴の時間を早めにする、夜は暗めの明かりにするなど、質の良い睡眠が取れるような環境を作っていきましょう。夜更かしをさせず、すぐ寝るように促してください。
健康的な生活をサポートしてあげるだけでも精神面が整って、心の回復に繋がっていくかもしれません。
子どもの睡眠の大切さについては、以下の記事も参考にしてください。
子どもの睡眠時間が足りてない?!「良い眠りのコツ」とは? (miraii.jp)
栄養バランスの整った健康的な食事を作る
健康的な生活に加え、なるべく食事も健康的なものを心がけましょう。
子どもがいる家庭であれば普段から意識しているかもしれませんが、栄養バランスのよい食事を作ることも、子どもの5月病の対処法として有効です。
体のエネルギーとなる炭水化物はもちろん、肉や魚、卵などからたんぱく質もしっかり摂取できるようにしましょう。ビタミンやミネラルも取れるよう、野菜や果物も積極的に取り入れてください。
お菓子やジャンクフードにかたよらないようにして、健康的な体づくりを心がけていきましょう。
ただし、毎回すべて手作り!と意気込んでしまうと大きな負担になってしまうので、お惣菜やレトルト食品も上手に使いながら、栄養バランスの整った食事を作ってあげてください。
ゆったりと過ごす
新しい環境に無理のないペースで慣れさせるためにも、ゆったりと過ごさせることも大切です。
ゆったりと過ごすことで、子どもの焦りやイライラも落ち着いてくるでしょう。
「早くしなさい」など急かすような言葉は使わず、子どものペースを尊重して生活できるとよいですね。
適度に体を動かす
子どものペースで過ごすことを大切にしつつ、休日は外に出て適度に体を動かすこともおすすめ。体を動かすとリフレッシュできるうえ、ストレスも発散できます。
しっかり運動をしなければと気負う必要はありません。
散歩をしたり、近所の公園で遊んだり、子どもが楽しんで体を動かせれば大丈夫です。
太陽の光もたくさん浴びてください。
日光浴をすると、体内にセロトニンが分泌されます。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、脳を活性化させる神経伝達物質のひとつ。セロトニンが増えることで、ストレス軽減、集中力向上、気持ちが前向きになるなど、多くの効果も期待できます。
外に出て太陽の光を浴び、適度に体を動かせば夜もぐっすりと眠れますよ。
学校の先生にきちんと伝える
子どもに5月病の症状が見られることは、学校の先生にもしっかり伝えておきましょう。
先生も注意深く子どもを見てくれるので安心できますし、子どもが学校でどのような様子なのかも知れますね。先生と連携をとることで、家庭でのケアも行いやすくなります。
家庭だけでどうにかしようとするのではなく、周りのサポートにも頼ることが大切です。
ひとりで抱え込まず専門機関に相談する
さまざまな対処法を試しても、子どもの症状が改善しない、自分のことをなかなか話そうとしない。自分ではどうすることもできなくなった時は、無理せずに専門機関に相談することも大切です。
5月病の症状が悪化すると、不登校や引きこもりになってしまう可能性もあります。
ひどくならないうちに、早めに相談してみましょう。
スクールカウンセラーや子ども専門の心療内科に加え、子どもの相談窓口など、ネットで検索してみると、多くの専門機関があることが分かります。電話をするのは少しハードルが高いという場合は、LINEで相談を受け付けているサービスもあるので、気軽に相談できますよ。
「親子のための相談LINE」
心療内科では、相談にのってくれるだけでなく、薬を処方するといった医学的な対処法も行っています。最適な方法を見つけて対応してくれるので、安心して任せられます。
また、子どもについて悩みすぎてしまう、負担を抱え込みすぎる親にとっても、専門機関は頼れる存在。相談することで心が軽くなりますし、新たな対処法を一緒に考えていくことも可能です。
どう対処すればよいのか分からない、症状がひどくなってどうにもできないと感じたら、無理せず専門機関に相談するようにしましょう。
日本助産師会「全国の相談窓口 」
また、各自治体には「地域子育て支援センター」が設置されていることがほとんどです。
ネットで検索するとすぐに見つかるので、こちらも頼ってみましょう。
子どもに5月病の症状が見えると感じたら寄り添ったサポートを
5月病は、小学生でもなる可能性があります。
5月の連休明け、何となく子どもに元気がない、食欲がない、学校に行きたがらないといった症状が見られるようでしたら、5月病になっているかもしれません。
子どもの話に共感する、十分な睡眠時間を取れるよう工夫するなどしてあげてください。
もし何をしても症状が改善しない場合は、無理せず専門機関を頼りましょう。
子どもの5月病に関しては、親も負担を抱え込みすぎないようにすることが大切です。周りの助けも借りながら、子どもに寄り添ってサポートしてあげてくださいね。
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